朝日新聞 特ダネに「ブラインドメイク」が掲載


平成28年11月25日 朝日新聞「特ダネ」(夕刊1面)に
「ブラインドメイク」が掲載されました。
朝日新聞DIGITALの「ブラインドメイク、自信に 視覚障害者「外出楽しく」」をご参照下さい。
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<記事内容>
目が不自由でも独力でできる化粧法「ブライドメイク」が注目されている。「化粧訓練士」の指導を受ければ、15分程度でフルメイクができるようになり、「外出が楽しくなる」と好評だ。今秋には全国で初めて、静岡市の眼科医が診察後、生活訓練の一つとして化粧訓練士を紹介する試みがあった。
ブラインドメイクの手法は、日本福祉大学大学院博士課程の大石華法(かほう)さん(51)=大阪市=が、多くの視覚障害者が化粧をあきらめていると知り、2008年に考案した。ファンデーションを両手指になじませ、左右対称に均等の力で動かすことで、鏡を使わなくてもむらなく、はみ出さずに塗ることができる。チークや口紅も同様だ。大石さんは「化粧をすると自己肯定感が高まり、外出したり社会参加したりする意欲につながる」と話す。
大石さんは「日本ケアメイク協会」を設立し、100人以上の視覚障害者にブラインドメイクの手法を伝えてきた。ただ、九州など遠方から大阪の大石さんのもとへ通う人も多いため、協会公認の「化粧訓練士」の養成を急いでいる。現在は十数人が学んでいる。
医療現場でも視覚障害者への化粧訓練の必要性が認知されつつある。
9月3日、静岡市の「さくら眼科」で、同市の千代元子さん(68)と浜松市の山城ウェンディさん(41)が化粧訓練を受けた。
千代さんはマスカラを塗る練習をした。7歳の時に先天性緑内障で全盲になった。おしゃれが大好きで口紅はたまに塗るが、アイメイクは1975年の自身の結婚式以来だ。
ペルーにいた5歳当時に両目を失明した山城さんも化粧に関心はあったが、周囲から「十分可愛いんだから化粧なんてしなくていい」と言われてきた。「自力でできると知ったことが一番うれしい」。どんな色が似合うか、母親と話すのが楽しみという。
この日、松久充子院長は診療報酬の「ロービジョン検査判断料」を当てはめて検査や診察をした。その後、大石さんを2人に紹介し、ブラインドメイクの訓練を受けてもらった。
判断料は12年の診療報酬改定で新設された。厚生労働省主催の研修を修了した医師の常勤施設で、医師が視覚障害者に生活訓練などを指導すれば請求できる。松久院長は、化粧も視覚障害者用パソコンや拡大鏡の使い方と同様に重要な生活訓練の一つと判断した。
日本ロービジョン学会理事長で東大医学部の加藤聡准教授(眼科学)は「障害者が持つ力を十分に発揮し、社会に還元してもらうために診療報酬の点数がつく。判断料は医療と福祉をつなぐ画期的な枠組み」と評価する。
松久院長は「多くの視覚障害者と接する眼科医が窓口となれば、化粧訓練がさらに広がっていくはずだ。あきらめないで、方法はあるよと伝えていきたい」と話した。
(大貫聡子)
<ここまで>


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